ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)は6日、2025年2月の金市場動向に関するレポートを公表した。それによると、金価格は上昇基調を維持し、複数の通貨建てで過去最高値を更新。月末の金価格は1オンス2,835ドルで、前月比0.8%上昇した。
上昇の主な要因は米ドル安と質への逃避。金ETFへの資金流入は100トン(94億ドル相当)に達し、2022年3月以来の大幅な純流入となった。米国やアジアの上場ファンドが牽引役を果たした。
2月19日には金価格が1オンス2,936.85ドルの史上最高値を記録。年初来の上昇率は8.6%に達している。WGCは、インフレ期待の上昇や金利低下、地政学的不確実性の継続が金市場にとって追い風になっていると分析した。
米国の消費者信頼感指数は2023年以来の低水準。一方で、欧州では防衛費増額の可能性が取りざたされており、長期金利の上昇につながっている。
WGCは、現在の市場環境下で金が引き続き注目を集めると予想。不確実性の高まりを背景に、金は戦略的資産としての役割を果たすとの見方を示した。

Gold Market Commentary: Riding a wave of uncertainty