上海天然ゴム先物を上場、中国市場リスクヘッジを提供=大阪取引所

 大阪取引所は26日、上海天然ゴム先物を上場した。中国の上海先物取引所(SHFE)の価格を対象とする現金決済型だ。国内外のゴム関連事業者に、中国での在庫価格変動に対する新たなヘッジ手段を提供する。

 同日、大阪証券取引所ビルで上場セレモニーを開催。新商品は、SHFEに上場する天然ゴム先物価格に連動する。これにより、事業者は中国国内で保有する天然ゴム在庫の価格変動リスクを回避しやすくなる。

 また、中国と日本の天然ゴム価格差を利用した裁定取引も期待される。既存の大阪取引所のゴム先物の流動性向上にも寄与する見込みだ。日本は世界有数の天然ゴム消費国であり、1952年に世界に先駆け先物取引を開始した。

 一方、中国のゴム先物市場は実体経済の発展とともに急成長。世界最大の流動性を誇る市場として注目を集めている。今回の新上場は、こうした背景を踏まえたもの。

 SHFEの魯東昇CEOは「中国先物市場の開放に向けた具体的な一歩。世界のゴム産業に新たなリスク管理手法を提供する」とコメント。大阪取引所の横山隆介社長は「投資家に上海ゴム市場への新たなアクセス手段を提供し、世界の天然ゴム先物価格の安定につながる」と期待を寄せた。

 大阪市と上海市は友好都市。今回の上場が両市の関係強化や、大阪の国際化進展にも寄与するとみている。大阪取引所は今後も投資家へリスクヘッジ手段を提供し、市場の利便性向上に努める方針だ。

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