2025年5月の国内商品先物総出来高は、前月比23.0%減の164万7931枚と5カ月ぶりに減少した。一日平均(立会日数20日)は同19.1%減の8万2397枚。前年同月比では33.8%減となった。主力の金が前月の記録的な活況に対する反動から利益確定売りに押され、商いが大幅に縮小したことが響いた。安値圏での値動きが続いたドバイ原油も、積極的な取引が見送られ低調だった。
取引所別では、大阪取引所の出来高が前月比21.9%減の131万5819枚(一日平均6万2658枚)。金標準は同27.1%減の69万0383枚、金ミニも同20.7%減の32万9665枚と、ともに2割を超える大幅な減少。価格上昇が一服したことで、短期的な過熱感が後退した格好だ。金限日も同35.5%減の4万804枚と落ち込んだ。銀は同51.0%減の51枚と閑散。
一方、白金標準は同2.2%増の17万4170枚と堅調を維持。金からの資金シフトに加え、産業用需要への期待感が下支えしたとの見方もある。白金ミニは同7.9%減の1万8473枚、白金限日は同19.0%減の4万1300枚。ゴム(RSS3)は同14.0%増の2万0269枚と活況。5月26日に新規上場した上海天然ゴムは700枚の出来高を記録し、滑り出しはまずまずといったところ。とうもろこしは需給逼迫感が和らぎ、同93.8%減の4枚と商いがほぼ途絶えた。
東京商品取引所の出来高は、前月比29.0%減の8万7525枚(一日平均4168枚)と落ち込みが目立った。プラッツドバイ原油は同23.4%減の8万4938枚と、国際的な需給動向に大きな変化が見られず、積極的な売買を手控える動きが広がった。国内石油製品も低調で、中京ローリーガソリンは同17.2%減の48枚、中京ローリー灯油は同28.6%減の5枚だった。
電力先物は全体で同79.6%減の2514枚と大幅減。このうち月間物は2494枚、週間物は取引が成立しなかった。電力需給の安定化や、主要限月の取引が一巡したことが影響したとみられる。5月26日に上場した電力年度物は20枚の出来高にとどまり、市場参加者の関心は限定的だった。LNG(プラッツJKM)は20枚の取引があった。
堂島取引所の出来高は、前月比26.1%減の24万4587枚(一日平均1万1647枚)。こちらも貴金属の減少が響いた。金は同25.4%減の23万3512枚と、大阪取引所同様に調整色が強まった。銀は同84.2%減の142枚、白金も同51.1%減の1745枚とそれぞれ大幅に減少。農産物では、堂島コメ平均(米穀指数)が同31.7%減の9188枚。作付け期の天候への関心は高いものの、本格的な取引には至っていない様子がうかがえる。