東京金融取、5月取引54%減=為替・株価指数が大幅縮小

 東京金融取引所が2日発表した2025年5月の全商品合計取引数量は、前月比53.9%減の568万5220枚だった。為替証拠金取引「くりっく365」、株価指数証拠金取引「くりっく株365」ともに大幅に減少し、市場の調整局面を映し出す形となった。一日平均取引数量も25万8978枚と前月比で半減以上。

 取引所為替証拠金取引「くりっく365」の取引数量は、前月比36.8%減の143万2313枚。主要通貨ペアが軒並み取引を減らした。首位の米ドル円は同32.1%減の58万6110枚。メキシコペソ円は同26.2%減の16万1432枚、トルコリラ円も同20.0%減の15万2966枚と高金利通貨への投資意欲が後退。豪ドル円は同59.1%減の8万4845枚、南アフリカランド円は同59.6%減の7万5947枚と、資源国通貨も大幅な減少を見せた。世界的な株価調整を背景としたリスク回避の動きや、前月までの活発な取引の反動が出たとみられる。

 取引所株価指数証拠金取引「くりっく株365」は、前月比57.9%減の319万3973枚と、さらに落ち込みが大きかった。主要株価指数(いずれもリセット付証拠金取引)では、日経225が前月比57.6%減の67万5232枚となった。NYダウは同65.5%減の73万3701枚、NASDAQ-100も同59.7%減の87万4056枚と、国内外の代表的な指数で軒並み大幅減。市場の過熱感後退による利益確定売りが広がった模様だ。

 商品関連ETF(いずれもリセット付証拠金取引)では、金ETFが前月比15.7%減の17万6575枚。一方、原油ETFは同17.8%増の11万9608枚、プラチナETFは同27.8%増の2万687枚とそれぞれ増加。銀ETFは同61.2%減の3万3810枚と大幅に落ち込んだ。一部コモディティには資金が向かったものの、貴金属内では明暗が分かれる結果となった。

 金利先物等取引は、同19.9%増の10万3234枚と唯一増加。日銀の金融政策修正への思惑などが背景にあるとみられる。市場全体の取引が縮小する中、金利への関心は相対的に高まった格好だ。

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