日本商品先物取引協会は2025年6月の店頭商品CFD取引件数を、前月比6.8%増の1億6096万8599枚と発表した。エネルギーや農産物関連の取引増加が全体を押し上げた。
取引件数の増加には、エネルギー価格の変動率上昇が強く影響した。エネルギー分野は前月比46.0%増の4408万7376枚に拡大。原油市況の先行き不透明感や地政学リスクが、個人投資家の積極的な売買を誘発したとみられる。農産物も17.1%増の2453万2329枚。天候不順による価格波乱や国際需給の見通しが材料視された。
特にエネルギーの伸長は、市場の関心がリスクイベントや物価動向に強く反応している現状を映す。資産運用の多様化需要がCFD市場に資金を流入させており、短期投機志向も根強い。対照的に、貴金属は7.2%減の9234万8894枚と下押し。安全資産への資金シフトが一服し、相対的に投資妙味が薄れた格好だ。
口座数は前月比3.5%増の3万4139口座。新規参入が堅調で、市場拡大の基調が続く。証拠金等残高も0.7%増の201億3700万円。運用資金流入が底堅い。個人投資家のリスク感応度と短期投機需要の高止まりが相場全体を下支えする構図が鮮明で、特定分野への資金集中や海外需給変化の影響が拡大余地となる。