日本取引所グループ(JPX)が主催し、パンローリングが運営する個人投資家向けイベントが8月30日に都内で開かれる。市場の不透明感を受け、先物や商品を使い資産を守る手法を解説。協賛21社と連携し、投資家層の拡大と金融リテラシー向上を目指す。
新NISA(少額投資非課税制度)を追い風に株式市場へ参入した個人投資家が、世界的な金融環境の変化による調整局面に直面している。単純な右肩上がりの相場を前提とした投資戦略の見直しは急務。保有資産を守る「守り」の運用への関心が急速に高まってきた。
イベントではこうした課題に対応する。デリバティブ(金融派生商品)の専門家が登壇し、相場下落局面で収益を狙える先物取引や、保有株の値下がりリスクを抑えるオプション取引の仕組みを指南。具体的な戦略を交えて解説する。
もう一つの柱がコモディティ(商品)投資だ。株式とは異なる値動きが期待される金(ゴールド)などを代替資産としてポートフォリオに組み込む意義を説く。インフレや地政学リスクへの備えとして、資産分散の重要性を訴えかける構え。
SBI証券や楽天証券などネット証券大手など21社が協賛する。商品先物取引業者からは、岡地、岡安商事、コムテックス、サンワード証券、大起証券、日産証券、フィリップ証券、フジトミ証券、北辰物産、豊トラスティ証券などが名を連ねる。株式売買手数料の無料化が進むなか、各社はデリバティブなど付加価値の高いサービスを新たな収益源としたい考え。投資家教育を通じ、市場の裾野を広げる狙いがある。
イベントの正式名称は「Investor & Trader EXPO 先物・オプション36周年記念イベント」。8月30日の12時から18時にかけ、ベルサール新宿グランド(東京・新宿)で開催する。参加費は無料で、事前の申し込みが必要となる。