日本取引所グループなどが発表した9月の国内商品先物総出来高は、前月比66.9%増の179万6332枚となり、3カ月ぶりに増加した。前年同月比では36.4%増。一日平均出来高(立会日数20日)は8万9817枚だった。米国の金融・政治情勢への懸念から安全資産とされる貴金属に投資資金が流入し、市場全体をけん引した。
大阪取引所は貴金属の商いが活発で、全体の出来高は前月比79.0%増の148万3512枚に達した。主力の金標準は、米連邦準備理事会(FRB)の独立性や米政府機関の一部閉鎖への警戒感を背景に買い人気が高まり、同88.8%増の87万2281枚と急増。白金標準も金に追随して価格が上昇する過程で商いを伴い、同90.5%増の22万5771枚と活況だった。
貴金属人気は関連商品にも波及した。金ミニは同74.6%増の26万5276枚、金限日は同58.3%増の3万480枚となった。白金ミニも同102.8%増の2万3900枚、白金限日も同1.0%増の5万1450枚と堅調。銀は大阪で同230.8%増の129枚、堂島取引所では同337.2%増の7520枚と、両市場で出来高を大きく伸ばした。
一方、東京商品取引所は同4.1%減の7万8408枚と精彩を欠いた。指標のプラッツドバイ原油が、方向感に乏しいニューヨーク原油相場を受け同2.2%減の7万7218枚と低調。中京ローリーガソリンは同12.1%減の51枚、中京ローリー灯油は同28.6%減の5枚と石油製品も軒並み商いが減少した。電力先物も全体では同57.3%減の1134枚と落ち込んだ。
電力先物は内訳で明暗が分かれた。東エリア・ベースロード電力が同80.3%減の487枚となる一方、東エリア・日中ロード電力は4220.0%増の216枚と急増。西エリアでもベースロード電力が同158.9%増の290枚、日中ロード電力が同300.0%増の136枚と商いを伸ばした。月間物は1129枚、年度物は5枚で、週間物の取引はなかった。
その他の商品では、堂島取引所の堂島コメ平均が同9.8%減の5857枚となった。大阪取引所のゴム(RSS3)も同4.0%減の1万2866枚だったが、上海天然ゴムは同15.5%増の1357枚。とうもろこしは2枚の取引にとどまった。堂島取引所は貴金属が下支えし、全体では同41.6%増の23万4412枚だった。