東京商品取引所は15日、JERAグローバルマーケッツに電力先物市場の取引参加資格を付与したと発表した。同社はJERAと英EDFトレーディングの合弁グループに属し、国内電力市場の流動性向上と透明性の高い価格形成を目指す。
国内最大の発電事業者であるJERAの電力取引事業を担う企業が、先物市場へ参入する。JERAグローバルマーケッツは15日付で資格を取得した。同社の遠藤久樹代表取締役は「透明性が高く活性化した市場への重要な節目」と強調。「高度な分析力とリスク管理体制で市場発展に貢献する」と意欲を示した。
東商取の石崎隆社長は、実需に根差した流動性の向上が公正な価格形成に不可欠だと指摘。「投資家の利便性向上に貢献することを期待する」と歓迎した。今回の資格取得は、電力先物市場における取引参加者の拡大と、ヘッジ機能の強化につながる可能性がある。
同社は2025年4月に本格稼働し、JERAと英EDFトレーディングの国内電力取引事業を統合した。シンガポールに本社を置くJERAグローバルマーケッツ・グループ(JERAGM)の一員として、日本国内のトレーディングやソリューション提案を手掛ける。発電資産などを背景に取引を行う「アセット・バック・トレーダー」として、豊富な資金力と市場への洞察力を強みとする。

