堂島コメ平均活用し営農収益を固定、丹波たぶち農場の実例公開=堂島取引所

 堂島取引所は17日、兵庫県の米生産者が同取引所の上場商品「堂島コメ平均」を活用し、米の販売価格を事前に固定した事例を公表した。2025年産米の作付け前に目標収益を算定し、先物市場で価格ヘッジを行うことで、秋の決済時における相場変動リスクを完全に排除した。

 兵庫県丹波篠山市の丹波たぶち農場は、2025年産米の作付け計画を立てる同年4月、卸売業者との間で10月末の現物取引に関する契約を締結した。取引数量は50俵(堂島コメ平均1枚分)とし、取引価格を「10月末の堂島コメ平均に1650円を加算した額」に設定。農場側は経営上必要な1俵当たり3万円を目標価格とし、7月時点の先物価格2万8350円との差額を上乗せする形で逆算して契約条件を確定させた。

 同農場は契約締結後の7月、堂島取引所の先物市場において2万8350円で50俵の売り建玉を保有。その後、10月末の決済期における堂島コメ平均は4万570円まで上昇した。この結果、先物取引では4万570円での買い戻しにより1俵当たり1万2220円、総額61万1000円の差損(手数料等を除く)が発生。一方で、現物取引は契約に基づき4万2220円(4万570円+1650円)で販売され、現物売上高は211万1000円となった。

 先物取引の差損と現物売上を合算した最終的な売上高は、手数料等を除き、当初の計画通り150万円(1俵当たり3万円)に着地した。仮に市場価格が2万4000円まで下落した場合でも、先物取引で発生する21万7500円の差益が現物の減収を完全に補填するため、合計売上高は150万円に維持される計算となる。

 生産者の田渕真也氏は、今回の取り組みについて「作付け前に売上を固定できる点は大きなメリットであり、借入や設備投資の判断が容易になる」と言及。市況変動に左右されない安定性を「保険に近い安心感」と評価し、今後の継続的な活用に意欲を示した。

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