堂島コメ平均、3月出来高3.7倍に急増=農林水産省

 農林水産省がまとめた「米の先物取引の現状について」(4月8日)によると、堂島取引所の米穀指数先物取引(堂島コメ平均)の3月の一日当たり平均出来高は529枚となり、取引開始時の約3.7倍に達した。本上場として昨年8月13日に始まった「堂島コメ平均」の取引累計は20,641枚。この8カ月間の急拡大は、国内農産物市場における新たな市場機能の定着過程を示唆している。

 価格動向も安定的な推移を見せている。2025年2月限の最終決済数値は27,240円。3月末時点の4月限は26,370円、6月限26,300円、8月限26,400円で推移する。12月限や翌年2月限も26,500円台と、26,000円台後半での価格形成が継続している。この価格水準は、現物市場における国産米の需給実勢を一定程度反映したものと分析できる。

 出来高の増加傾向は市場の流動性向上を示す指標として注目に値する。昨年8・9月は日平均約140枚程度だったが、今年に入り500枚超の水準が続く。特に3月は月間10,577枚と急増した。この数値的拡大は、市場参加者の裾野が広がりつつある証左といえよう。

 米穀指数は農林水産省が公表する「米の相対取引価格・数量」を基に算出される主食用米の平均価格指標だ。取引単位は3トン/枚。奇数月の第1営業日に新限月が追加され、常時6限月が取引される設計となっている。

 市場機能の本質的評価は今後の課題である。現状では指数先物という特性から投資家の参入が比較的容易である一方、実需者によるリスクヘッジ手段としての活用度合いが市場の質的発展の鍵を握る。量的拡大から質的充実へ―米穀指数先物市場は次の検証段階に入ったと評価できる。

タイトルとURLをコピーしました