東京金融取引所が1日発表した6月の取引数量によると、為替証拠金取引「くりっく365」は前月比17.6%減、株価指数「くりっく株365」は同3.9%減となった。米ドル円が首位を維持したが、主要な取引は減少。一方で銀やプラチナなどの商品ETFは活況だった。
6月の「くりっく365」の取引数量は118万814枚。前年同月比では49.0%の大幅減となった。通貨ペア別で首位の米ドル円は40万5536枚と、前月から3割超減少。トルコリラ円やメキシコペソ円といった高金利通貨も勢いを欠いた。
取引所株価指数証拠金取引「くりっく株365」の取引数量も306万7905枚と減少。主要指数が軒並み取引を減らし、NYダウは前月比22.5%減となった。NASDAQ-100も同16.5%減となり、米国株市場の過熱感一服を映した格好だ。
株価指数が軟調な一方、商品関連のETFに資金が流入した。工業用需要も大きい貴金属が特に活況。銀ETFリセット付証拠金取引は7万4424枚と前月比で2.4倍に急伸した。プラチナETFも2万2834枚と同3.1倍に膨らんだ。原油ETFも8万2465枚と43.1%増え、堅調な推移。
一方で安全資産の代表格である金ETFは12万217枚と14.4%減少。貴金属内で明暗が分かれた。インフレや景気後退への懸念を背景に、より投機的な値動きを期待する資金が銀やプラチナに向かった可能性がある。
金利先物等取引は12万6009枚と前月比22.1%増加。国内の金融政策への関心の高まりを反映した。全商品合計の取引数量は521万5228枚となり、前月比8.3%減、前年同月比では75.2%減と大きく落ち込んでいる。