上海ゴム先物、清算値算出を変更=大阪取引所、価格安定性向上か

 大阪取引所は9日、上海天然ゴム先物の最終清算数値の算出方法を変更すると発表した。参照元である上海先物取引所(SHFE)の制度変更に対応する措置で、2025年9月限以降の全ての限月から新方式を適用する。

 最終的な決済に使われる価格の算出方法を抜本的に見直す。これまでは直近5取引日の約定価格を出来高で加重平均していた。今後は日々の清算値段を単純に算術平均した価格を採用する。これにより、最終取引日に近い特定日の大口取引が価格に与える影響が薄まり、より市場実態を反映した価格形成につながる。

 今回の変更は、SHFEが受渡決済値段の算出方法を7月16日から見直すことに伴うもの。出来高加重平均は、特定の参加者によるポジション解消のための大口取引が最終価格を歪めるリスクを内包していた。日々の清算値の平均に切り替えることで、こうした人為的な価格操作や極端な変動リスクを抑制し、市場の透明性と公正性を高める狙いがある。

 市場参加者にとって、最終決済価格の予見可能性が高まるというメリットがある。価格の急変動リスクが抑えられ、機関投資家なども参加しやすい環境が整うとの見方も。一方で、価格形成のメカニズムが変わるため、投資家はヘッジ戦略や裁定取引の見直しを迫られることになりそうだ。

 

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