日産証券グループが7月31日に発表した2026年3月期第1四半期(4〜6月)連結決算は、純利益が前年同期比59%減の1億2400万円となる見込みだ。不安定な市場を背景に個人のデリバティブ取引が落ち込み、手数料収入が減少した。
収益の柱の一つである個人投資家向け(リテール)事業の不振が響いた。リテールのデリバティブ取引高は前年同期比で約3割減少。法人向け取引や株式売買は堅調だったものの、リテールの落ち込みを補えなかった。全体の受入手数料は1割以上減り、17億4000万円にとどまる。
背景には米国の関税政策などを巡る金融市場の混乱がある。期間中、日米の株価は大きく変動した。市場の先行き不透明感から投資家心理が冷え込み、特に個人がリスクを取る動きを控えたとみられる。トレーディング損益の悪化も収益を圧迫した。
これらの結果、営業収益は前年同期比15%減の18億9500万円だった。販売費・一般管理費を削減したが補えず、営業利益は54%減の1億9200万円となる見通し。本業のもうけを示す純営業収益も15%減少した。