豊トラスティ証券、役員報酬で自己株処分=信託に6800万円追加拠出

 豊トラスティ証券は8日、業績連動型の株式報酬制度で取締役に付与する株式を確保するため、第三者割当による自己株式の処分を決議したと発表した。処分総額は約6900万円に上る。役員の中長期的な企業価値向上への意欲を高める狙いだ。

 処分は8月25日付で、普通株式4万3690株を1株1574円で処分する。総額は6876万8060円となる。株式給付信託の信託口を割当先とするが、実質的には社外取締役を除く取締役12名が対象となる。

 同社は2016年から役員向けの株式報酬制度を導入し、24年に一部改定していた。今回の自己株処分は、2026年3月期から28年3月期までの3事業年度に取締役に給付する株式に充てるための措置である。

 処分価額は、取締役会決議の前営業日にあたる7日の終値を採用した。直近1カ月や3カ月の平均株価と比較しても大きな乖離はなく、会社側は有利な価格には該当しないと判断。監査役も適正との意見を表明している。

 今回の処分による発行済株式総数に対する希薄化率は0.49%にとどまる見込み。そのため、東京証券取引所の規則が求める独立した第三者からの意見聴取といった手続きは不要とした。株主価値との連動性を高め、経営陣の士気を引き上げる。

 

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