SBI証券は12日、金融アナリストのエミンユルマズ氏を招き、貴金属セミナー!「ゴールドは青天井!?2025年の貴金属相場」を公開し、足元の相場動向と今後の見通しについて解説した。
金価格は年初から上昇基調を強め、1オンス=2900ドルを突破。3000ドル台に迫る水準まで上昇している。背景には米国債利回りの低下や、インフレ懸念の再燃がある。米国の10年国債利回りは年初から0.4%低下し、4%台まで下落。
注目すべきは、ドル高と金価格上昇が同時進行している点だ。通常、ドル高局面では金価格は下落する傾向にあるが、今回は異なる動きを示している。
市場関係者の間では、実需給の逼迫も指摘されている。イングランド銀行における金の現物デリバリーに遅延が発生しており、需給のミスマッチが生じている可能性がある。
エミンユルマズ氏は「トランプ氏の大統領選出馬に伴う不確実性や貿易戦争への懸念から、金が買われている可能性がある」と分析。銅価格との比較でも、金価格の優位性が際立っており、世界経済の先行き不透明感を反映している。
銀やプラチナなど他の貴金属も上昇基調にあり、インフレリスクや地政学的リスクへの警戒感から、貴金属全般への投資需要が高まっているとの見方が強まっている。