日本取引所グループ(JPX)は26日、2026年3月期から2028年3月期までの3か年を対象とする「中期経営計画2027」を策定した。「ExchangeEbeyond」をスローガンに掲げ、日本株市場の新時代開拓や総合プラットフォーム化、デジタルイノベーションの共創を重点テーマとする。最終年度の財務目標としてROE18.0%以上を設定。3か年の株主還元は配当性向60%以上、総額1700億円程度(自己株式取得600億円程度を含む)を計画している。
「社会課題や利用者のニーズを起点とした顧客本位・マーケットインの姿勢を徹底する」との基本方針を掲げ、第一ステージで築いた基盤を発展させつつ、新領域への積極的な挑戦を続ける。我が国の金融・資本市場の中核インフラとして、資産運用立国の実現を強力にサポートし、社会に提供する価値の増大を目指す。
重点テーマの一つ「日本株市場の新時代を切り拓く」では、上場会社の自律的な価値向上促進や投資しやすい環境醸成、エクイティ・オプション市場の振興などを主要施策とする。「総合プラットフォーム化へ邁進する」では、アジアにおける機軸マーケットとしての進化や金利関連商品・サービスの強化・拡大を図る。
エネルギー関連商品の振興については、特に電力先物市場の流動性向上に注力する。電力システム改革の進展に伴い、市場参加者の裾野拡大やリスクヘッジニーズの高まりを捉え、取引量の増加を目指す。また、LNG(液化天然ガス)や水素などの新エネルギー関連商品の上場も視野に入れ、脱炭素社会への移行を金融面から支援する体制を構築する。
「デジタルイノベーションを共創する」では、データサービスの次世代化やAI等の先端技術の積極的導入、業界全体の課題解決に向けた貢献を推進する。
同時に、日本証券クリアリング機構(JSCC)も2025年度から2027年度の中期経営計画を策定。「内外利用者との密なコミュニケーションに立脚した高信頼性の確保」「リスク管理とのバランスを踏まえた着実なビジネスの拡充」「先進技術も活用した世界最高水準の清算サービスの追求」の3つを経営方針に掲げた。
重点テーマとして、グローバル・ベストプラクティスを踏まえた清算業務の進化やOTCデリバティブ・国債店頭取引部門におけるサービス利用者の拡充、確固とした事業継続体制の維持・構築などを設定。特に金銭型ETF設定交換の制度改善や決済期間短縮化の検討、AI等を利用した業務効率化・データ活用などに取り組む方針だ。
これらの重点テーマを支える組織基盤として、人的資本への継続的投資やシステムインフラの信頼性向上、自主規制機能の強化、業務推進体制の整備・拡充に取り組む。
最終年度に想定する財務数値は、営業収益1790億円程度、当期利益630億円程度。非財務コミットメントとして、人的資本への継続的投資を通じた人材力の向上や基幹システムの安定的提供とレジリエンスの発揮を掲げている。