アクティブ投信も清算対象に、決済リスク低減へ=金融庁

 金融庁は16日、金融商品取引法施行令の改正案を公表した。従来は株価指数型などインデックス投信に限定されていた金融商品債務引受業の対象が、今後は独自運用を行うアクティブ型投信にも拡大される。リスク管理機能の強化と市場安定性の向上が狙いだ。

 改正案は、清算機関による債務引受の対象となる投資信託の範囲拡大が柱。従来の施行令は、投信の基準価額が市場指標に連動するもののみを対象と制限していた。新たな規定では、「指標に一致させる運用」との要件が撤廃され、投信会社独自の判断で銘柄を選別するアクティブ型投信も含まれる。これにより、清算機関が決済保証を提供し、デフォルトリスクをマーケット全体で吸収できる体制となる。

 本改正は、投資信託市場の参加者に安心をもたらすと同時に、市場の多様化や新興ファンドの成長にも寄与する効果が期待される。今後は、巨大市場へと成長するアクティブ運用の裾野拡大に拍車がかかる可能性がある。一方で、業界関係者からは、清算機関にかかるリスク集中や管理コスト増加への懸念も指摘される。保証範囲の拡大は、同時に清算機関の財務健全性やガバナンス強化を求める動きへつながると考えられる。

 現実に日本市場では、テーマ型や高成長分野への投資を目指すアクティブETFなどが台頭する一方で、利用者は商品のリスク特性を見極めた利用が不可欠だ。今回の制度変更は、信頼性の向上というメリットと表裏一体で、新たなリスク評価や開示制度の整備も今後の課題となろう。

 なお、公募期間は10月16日まで。業界関係者、投資家からの意見表明が市場制度の健全な発展に不可欠である。今後の議論と制度の具体的な運用方法に注目したい。

 

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