日本商品委託者保護基金(協会会員17社)が公表した2025年12月の会員主要指標によると、同月の営業収益は303億9800万円(前年同月比25.2%増)となった。会員各社の収益は活発な市場取引を背景に、受取手数料が大幅に増加。12月単月の営業損益は122億8300万円の黒字を確保し、前年同月の44億4900万円から約2.8倍に拡大した。
収益構造を細分化すると、受取手数料が157億7200万円に達し、前年同月の94億4000万円から67.1%増と際立った伸びを示した。一方、相場変動の影響を強く受けるトレーディング損益は31億1100万円にとどまり、前年同月の35億5000万円から12.4%減少した。営業費用は181億1500万円(同21.3%増)と増加したものの、手数料収入の急増が費用増を十分に吸収し、高い利益水準を維持している。
2025年4月から12月までの9カ月累計では、営業収益合計が2177億8200万円に達し、営業損益は654億3100万円の黒字となった。累計期間における受取手数料は940億500万円と、収益全体の4割以上を占める。会員各社の自己資本の充実につながるこれら利益の蓄積は、万一の事態における委託者資産の保護能力を担保する上で重要な指標となっている。
12月末時点の委託者数は6万2465人で、前年同月の6万4388人から1923人減少した。一方で役職員数は2950人と前年同月比で77人増加しており、特に国内商品市場に係る営業部門には793人の職員を配置。会員数は17社で前年同様に推移している。同基金は、会員各社の収益力と財務の健全性を注視し、委託者が安心して取引できる環境の維持に努める構えだ。
統計から見る商品先物市場の現状――収益構造が変化
日本商品委託者保護基金が公表した2025年12月の主要指標は、業界全体の収益力が前年比で大幅に改善していることを示している。12月単月の営業収益は303億9800万円(前年同月比25.2%増)に達し、なかでも受取手数料は157億7200万円と前年同月の94億4000万円から67.1%急増した。本稿では、これらの統計数値に基づき、現在の業界動向を整理する。
収益構造の推移と「仲介業務」の比重
今回の統計で最も顕著なのは、収益の柱がトレーディングから受取手数料へとシフトしている点だ。12月単月のトレーディング損益は31億1100万円(前年同月比12.4%減)と振るわなかったものの、それを補って余りある手数料収入が全体を押し上げた。
累計数値(2025年4月~12月)を見ても、受取手数料は940億500万円と営業収益合計(2177億8200万円)の約43%を占めている。これは、会員各社が自己勘定によるリスクテイクを抑制する一方で、顧客の取引執行に伴う仲介業務において安定的な収益基盤を構築している実態を表している。地政学リスクの増大に伴う原油や金などの価格変動が、実需家や投資家のヘッジ需要を喚起したことが背景にある。
人的資本と部門別動向
組織面では、役職員数が2950人と前年同月比で77人増加した。内訳を見ると、国内商品市場に係る営業部門の職員数は793人を数える。取引の電子化が進むなかでも、依然として一定規模の専門人員が営業・コンサルティング部門に配置されており、対面や専門的な情報提供に対する一定の需要が維持されていることが伺える。
一方で、12月末時点の委託者数は6万2465人と、前年同月の6万4388人から1923人減少した。収益力や人員が増加傾向にある一方で、参加者数(口座数)自体は微減しており、一顧客あたりの取引密度の向上や大口顧客への集約が進んでいる可能性を示唆している。
まとめ
2025年12月の指標は、商品先物業界が「高い収益性」と「安定した保護能力」を両立させている現状を浮き彫りにした。会員各社の営業収益合計に対する営業費用の割合(営業費用率)を抑えつつ、営業利益を確保する現在の構造は、予期せぬ市場変動に対する耐性を高める結果となっている。


