日本商品先物取引協会は26日に開催した理事会において、「コンプライアンス確率プログラム」を承認した。
プログラムは、さらなる信頼性の向上を通じて公正かつ円滑な商品デリバティブ取引を実現することが目的で、経営レベルから実務レベルに至る体制整備と、健全かつ適切な業務運営を確保することが求められていることから実施する。
商品先物取引法(平成23年1月施行)体系の下でのコンプライアンス体制の確立に向けて施策を推進し、ビジネスの相手方及び方法に合わせて実効性ある方策を実施する。特に、一般個人を相手方とする対面営業に伴うトラブル発生の最小化を目指して集中的に取り組む方針だ。
コンプライアンス体制に関する会員の自己点検では、法施行から1年6ヶ月が経過したことから、法体系下で求められるコンプライアンス体制の水準を踏まえ、全会員において自社のビジネスモデルに対応した自己点検を行うとともに、その結果を日商協に報告することを求めるとしている。提出時期については「年内を目途に実施していきたい」としている。
概要は以下の通り。
1.コンプライアンス体制の確立
(1)コンプライアンス体制に関する会員の自己点検(点検項目は監督指針、検査マニュアルに掲げられている項目で設定)
(2)会員の自己点検の結果を踏まえた指導等
(3)社内監査結果を踏まえた指導等
(4)社内監査を通じたコンプライアンス体制の継続的な見直しの徹底
(5)コンプライアンスに関するセミナーの開催
2.外務員の資質向上
外務員資格試験及び登録更新講習の適正かつ円滑な運営、セミナー(日商協ゼミナールを含む)の開催
【個人の委託者に対応する外務員の資質向上の内容】
(1)個人顧客に対応する心構え(外務員倫理)の確立(教材の提供)
(2)商品市況(商品の需給や価格変動要因等)に関する知識の向上(教材の提供)
(3)講師の派遣(法令遵守に関する社内研修に本会職員を派遣)
3.協会事業の展開
(1)会員に対する指導の徹底
①未取引の苦情が発生した場合の指導
②苦情・紛争の多い会員への指導
(2)会員に対する制裁、外務員に対する指導等の厳正な実施
(3)トラブル防止のための情報提供の充実
①会員の実務の改善に結びつく情報提供の充実
②リスク管理の重要性などトラブルの防止に繋がる顧客への情報提供