原油オプション取引が急増=CME、タウンズリー氏が市場拡大の要因分析

 CMEグループのエネルギー研究・製品開発担当上級ディレクター、アマンダ・タウンズリー氏が原油オプション市場の急拡大に関する分析レポートを発表した。2025年第1四半期の取引量は前年同期比33%増を記録し、4月には日間で60万契約という新記録を樹立した。

 タウンズリー氏によると、かつては専門家の領域だった原油オプション市場が、近年急速に裾野を広げている。エネルギー大手企業、多戦略商品ファンドから個人投資家まで、多様な市場参加者が増加している背景だ。

 「分析ツールの民主化が市場を一変させた」とプロスパー・トレーディング・アカデミーのバウアー氏はレポート内で指摘する。QuikStrikeのようなプラットフォームにより、機関投資家専用だった高度なツールが広く普及。ボラティリティやスキュー分析が容易になった。

 電子取引への移行も拡大を後押ししている。タウンズリー氏の分析では、2024年にWTIオプションの88%がグロベックス電子プラットフォームで取引された。CMEダイレクトの気配値照会(RFQ)機能により、複雑なオプション戦略の電子取引が容易になっている。

 商品多様化も進む。数日で満期を迎える短期オプションは、特定日のリスク調整を可能にし、WTI週間オプションは2024年に取引が75%増加した。2022年導入のマイクロWTIオプションは標準契約の10分の1のサイズで、小口投資家の参入障壁を下げている。

 「WTI原油週間オプションは、トレーダーが週末リスク、市場変動イベントをヘッジする手段として、CME商品中で最も急成長している」とCMEエネルギー製品ディレクターのホワイト氏はレポート内で述べている。タウンズリー氏は原油市場の不確実性が高まる中、多様な商品提供と電子取引の利便性向上により、今後も市場拡大が続くと予測している。

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