日本証券クリアリング機構(JCCH)は、上場デリバティブ取引における証拠金制度を2025年5月26日から見直す。担保超過リスクに応じた証拠金割増(ストレスAdd-on IM)の導入と、AS-VaR方式計算ロジックの改善が主な内容。
今回の見直しでは、まず、上場金融デリバティブにおける担保超過リスク相当額に応じた取引証拠金割増制度が導入される。2025年5月26日(月)の計算(同月27日(火)預託)分から適用され、ストレスAdd-on IMにおける判定基準額の計算に用いる調整係数は40%に設定。
AS-VaR方式計算ロジックの改善も同時に実施。スプレッドリスク額の計算方法が見直され、同一限月のラージ商品とミニ商品の間のスプレッドリスク額がゼロとなる。例えば、金標準先物2026年4月限を1枚買い、金ミニ先物2026年4月限を10枚売るポジションの場合、現行制度では62,000円の証拠金が必要だが、ロジック改善後は0円となる。
加えて、商品間割引の計算方法も変更。貴金属商品全体での割引が一括で実施されていたものが、「金グループと金限日グループ」「白金グループと白金限日グループ」それぞれで割引後、貴金属商品全体で割引を行う方式に。これにより、ポジションによっては証拠金が増加する可能性もある。例えば、金標準先物2026年4月限を1枚買い、白金標準先物2026年4月限を2枚売る場合、現行制度では437,200円の証拠金が必要だが、ロジック改善後は503,552円となる。
【投資者の皆様へ】上場デリバティブ2025年5月稼働案件に関する留意事項について | 株式会社日本証券クリアリング機構
東証を始めとする証券取引所の金融商品の清算・決済を担う。取引証拠金のSPANリスクパラメーターファイ...