電力デリバティブ、両市場で直接発注=日産証券、EEX資格取得

 日産証券は1日、欧州エネルギー取引所(EEX)の直接取引資格を取得したと発表した。すでに直接参加する東京商品取引所(TOCOM)と合わせ、国内電力デリバティブの主要2市場で直接発注体制を構築。電力価格の変動リスクをヘッジする事業者の需要を取り込む。

 これまで同社はEEX市場の取引で間接的な参加にとどまっていた。今回の資格取得で、顧客からの注文を直接、市場に発注できるようになる。電力卸売価格の変動が大きくなるなか、日本の電力デリバティブ市場は拡大。EEXでの2024年の日本電力先物取引量は72.9TWhに達した。

 日本の電力デリバティブ取引は、EEXとTOCOMで出来高のほぼ100%を占める。近年は電力事業者のヘッジ利用に加え、価格変動を収益機会とみるプロップファームや投資ファンドの参入も活発化。両市場への直接アクセスは、取引の速度やコスト面での競争力に直結する。

 同社は今後、ホールセール部門の強みであるHFT(高頻度取引)業者を含む国内外の投資会社やエネルギー会社からの注文受託を強化する方針。市場への流動性供給を通じて、日本の電力市場の発展に貢献する考えだ。

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