大阪取引所(OSE)は2026年4月13日、米国ドル/日本円先物、中国オフショア人民元/日本円先物、ユーロ/日本円先物の3通貨ペアを上場する。日本取引所グループの中期経営計画2027における「総合プラットフォーム化」の主要施策であり、社会全体のリスク配分の最適化や、資産運用立国の実現を目指す。日経225先物や金先物で海外投資家比率が高いOSEには、アジアのヘッジファンド等から円エクスポージャーを同一市場内でヘッジする「ワンストップ」の取引ニーズが強まっていた。現行のCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)通貨先物はドル建てのため、値洗いに現物ドルを要する点や逆数表示の不便さ、終値の時差による期末評価の不都合が指摘されてきた。OSEでの上場により証拠金を円で預託でき、「1ドル149.XX円」という直感的な表記が可能となるほか、清算値段の時差を解消しファンド評価のズレを防ぐ。
取引制度には、元本の交換を伴わない差金決済型(キャッシュ・セトルメント)を採用した。取引時間は日中立会(午前8時45分から午後3時45分)と夜間立会(午後5時から翌午前6時)を設定し、祝日取引の対象ともすることで海外発のニュースや経済指標による相場変動へ機動的に対応する。限月は3月、6月、9月、12月のうち直近5限月を設定し、各限月の取引期間は1年3ヵ月。取引単位は米国ドルとユーロが1万通貨、中国オフショア人民元が10万通貨と、他のデリバティブ商品と組み合わせやすいミニサイズとした。呼値の単位は米国ドルとユーロが1単位につき0.01円(1取引単位につき100円)、人民元が1単位につき0.001円(1取引単位につき100円)である。最終決済価格は、取引最終日の午後5時に公表されるWMR(WMR外国為替ベンチマーク)イントラデイ・スポットレートをベースとする。
清算・資金効率面では、本商品が「指数先物等清算資格」の対象となるため、日本証券クリアリング機構(JSCC)において日経225先物などの指数先物との証拠金相殺が可能となる。日経225先物との相殺率は約30%(海外取引所の20%程度を上回る水準)に達し、異なる通貨ペア間では最大70%以上の証拠金削減を見込む。2025年6月13日時点の試算では、1枚あたりの想定元本は米国ドルが142万8670円、人民元が200万1997円、ユーロが165万3798円。これに対する1枚あたりの買い証拠金は、米国ドルが3万8501円(レバレッジ37倍)、人民元が5万2364円(同38倍)、ユーロが3万5548円(同47倍)と算出された。具体例として、海外投資家がTOPIX先物(元本2億5310万円)を1枚購入し為替ヘッジを行う場合、米国ドル先物を17枚購入することで円安による利益減衰を補完し、狙い通りの日本株エクスポージャー獲得に成功する試算が示されている。
市場の流動性向上に向けては、上場当初から日中・夜間ともに気配提示を行うマーケットメイカー制度を導入し、すでに複数社が参入意向を表明している。上場から当面の間は手数料ディスカウント等を実施し、海外取引フローの獲得を強力に推進する。取引参加資格は、OSEの先物取引等、国債先物等、商品先物等のいずれかの取引参加者であれば認められるが、第二種金融商品取引業の登録または登録金融機関である必要があり、事前の届出が求められる。価格制限は呼値の制限値幅を基準値段の8%(段階的に最大16%まで拡大)、即時約定可能値幅を0.8%に設定するなど、日経225先物と同様の管理体制を敷く。さらにカレンダースプレッド取引やJ-NET取引も可能とし、機関投資家等の多様な戦略的取引に対応する環境を整えた。


