市場は常に不確実性との戦いである。その不確実性が特に際立つ時期を、ある専門家は「逆行のカオス」と表現した。クリエイトジャパンが3月25日に開催し、4月6日にYouTubeで公開したセミナー「逆行のカオスをどう動くか コモディティー・FXチャートから見る分析と今後の予測」は、このカオスの中で適切な判断を下すための手がかりを提供している。
このセミナーで講師を務めた投資日報の林氏は、天体の動きと市場サイクルを組み合わせたメリマン理論を用いて、現在の市場の不規則な動きを分析した。水星逆行をはじめとする天体現象が市場に影響を与える可能性を指摘し、特に通信や意思決定の齟齬が生じやすいこの時期には、冷静さと客観性が求められると強調する。市場の変動が感情や直感に引きずられる「逆行のカオス」の時代だからこそ、理論的な裏付けに基づいた視点が必要だ。
公開された2部構成の動画は、金相場とドル円相場という具体的なテーマに焦点を当て、メリマン理論に基づく分析に加え、投資判断の根幹となる「日柄」「値幅」「波動」の三要素についても詳しく解説している。金相場では週足サイクルの新たな開始点を捉え、2900-2950ドル水準までの上昇可能性を示唆。一方、ドル円相場では「三尊天井」パターンの進行を分析し、円高シナリオへの注意を促した。
このような分析は、単なる数値の読み取りではなく、市場の背後にある大きな流れとその変化を理解する助けとなる。林氏が言及した「頭と尻尾はくれてやれ」という相場格言が示す通り、完全なタイミングの追求ではなく、大局観を持つことが投資家に求められる姿勢だ。
クリエイトジャパンは、こうしたセミナーを継続的に開催し、その内容を広く公開している。その背景にあるのは、市場関係者の知識基盤を強化し、適切な判断を下すための材料を提供するという使命感であろう。市場が「逆行のカオス」に象徴される不透明性を増す中で、こうした客観的な分析手法は一層重要性を増している。
我々は、投資家が情報に溢れる時代にあっても冷静な判断を保つことの重要性を再認識せねばならない。市場の動きは複雑で一貫性を失うことがあっても、その中で秩序を見出す力が未来を切り開く糸口となるだろう。クリエイトジャパンの取り組みは、まさにその助けとなるものだ。