大阪取引所は20日、2026年4月13日に上場する金と白金の新先物商品の愛称を「ポケットゴールド100先物」及び「ポケットプラチナ100先物」に決定したと発表した。記録的な価格高騰で高まる個人の投資需要を、より手軽な金融商品で取り込む戦略だ。
背景には、資産防衛先として金に注目が集まる市場の活況がある。金標準先物は10月9日に2万円台を突破、足元の一日平均取引枚数は9万8794枚と高水準で推移する。新商品はこうした市場の熱気を受け、既存の「限日現金決済先物取引」を刷新して投入される。
最大の特徴は、投資のハードルを徹底的に下げた商品設計にある。取引単位を100グラムの小口とし、少額資金での参加を可能にした。さらに毎年12月に最終日を迎える「1限月取引制」を導入。限月選びの複雑さをなくし、株式投資に近い感覚で取引できる仕組みは、先物初心者を強く意識したものだ。
愛称は一般公募831件から選定した。20日に開いた発表式には、日本商品先物振興協会の釼持宏昭会長ら市場関係者が出席。命名者のまつはしよしのり氏に、大阪取引所の横山隆介社長から表彰状が、釼持会長から賞品の2分の1オンスコインが贈られた。
命名者のまつはし氏は「気軽に持てるイメージを『ポケット』で表現した」と語る。横山社長は「多くの方に愛され、親しまれる商品に育てたい」と期待を述べた。新たなNISAなどで投資の裾野が広がる中、この新商品が個人マネーの受け皿として定着するかが注目される。