大阪取引所(OSE)は2026年4月13日、金(ゴールド)と白金(プラチナ)の標準先物価格を対象とした新たな小口商品「ポケットゴールド100先物」および「ポケットプラチナ100先物」を上場する。100g単位での取引という小口化を実現したことにより、1取引単位(枚)あたりの想定元本を大幅に抑制。これにより、個人投資家でも標準先物と比べ極めて少額の証拠金で取引を開始でき、より細かくコントロールされた小さなリスク単位での投資が可能となった。同時に、先物取引特有のレバレッジ効果を活かした資金効率の高い運用戦略も構築しやすくなっている。なお、既存の金・白金限日先物は2026年12月に取引を休止する予定だ。
取引制度には、毎年12月に取引最終日を迎える「1限月制」を導入する。毎年10月から12月までの期間は翌年12月限の新規限月が加わる2限月制へ移行するものの、最長1年2ヵ月という余裕のある取引期間を確保することで、期先の限月へポジションを移す頻繁なロールオーバー(乗り換え)の手間とコストを不要とした。決済方法は現物の受渡しを伴わない「現金決済(キャッシュ・セトルメント)」に特化している。取引最終日までに決済されなかったポジションは、標準先物の当月限取引最終日における日中立会の始値に基づく「最終清算数値」で自動決済される。現物の受渡し義務が生じないため、金地金などの実物管理を意図せず純粋に価格変動からの収益機会を狙う投資家も安心して参入できる利便性の高い仕組みだ。
価格表示および呼値の単位は1gあたり円建てで、1gにつき1円(1取引単位につき100円)に設定。このシンプルな設定により、現物地金の価格感を反映させた注文発注が容易となるだけでなく、取引中の価格変動を直感的に自身の損益として瞬時に把握することが可能となった。注文執行は板に集められた注文を価格優先・時間優先でマッチングさせる「個別競争売買方式」を採用。取引時間は午前8時45分から午後3時45分の日中立会と、午後5時から翌午前6時までの夜間取引を設定した。一部を除く祝日取引にも対応しており、日本時間の夕方以降に活発化する海外発のニュースや重要経済指標による突発的な価格変動へも、タイムラグなしに機動的に対処できる強固な投資環境を整えた。
取引は大阪取引所が市場を運営し、日本証券クリアリング機構(JSCC)が決済履行を確実に保証して、各種の投資家保護制度も完備する。税制面では一律20%(2037年までは別途2.1%の復興特別所得税を加算)の申告分離課税が適用されるほか、損失の3年間繰越控除が認められている。さらに、日経225先物やオプション、他の商品先物、FXといった他のデリバティブ取引との間で幅広く損益通算が可能であり、総合的な税務メリットを享受できる。取引には金融商品取引業者等への口座開設が必要となり、上場時のリテール取扱業者としてアステム、岡地、岡安商事、クリエイトジャパン、コムテックス、サンワード証券、大起証券、日産証券、フジトミ証券、豊トラスティ証券が名を連ねる。
投資対象としての金は、希少性が高くインフレに強い「実物資産」として財産保全手段に優れ、金融情勢や為替、中央銀行の動向、金ETFの残高、地政学リスク等の多様なマクロ要因で価格が変動する。一方の白金は優れた触媒作用や化学等的な安定性を持ち、年間鉱山生産量の70%強を南アフリカ共和国が占めるなど供給の偏在が顕著だ。そのため、同国の供給動向や自動車販売動向に強く反応する。加えて、白金ETFの残高や為替、さらには広範な工業利用を背景とした世界の景気動向および投資マネーの動きによって価格が左右される特性を持つ。


