WGC、各国中銀の金保有増を予測 45%が自国増を計画

 ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が16日発表した「2026年中央銀行金準備調査」によると、今後12カ月間で世界の中央銀行の金準備が増加するとした回答は89%、自機関の保有増計画は45%に達し、いずれも過去最高水準となった。調査はユーガブ(YouGov)と共同実施した。

 9回目の調査は2月5日〜5月19日に実施し、76公的機関(先進国18、新興・途上国〔EMDE〕58)が回答(回答率51%、制裁国は除外)。世界の中央銀行は過去4年間に年平均1,000トンのペースで金を集積しており、前10年間平均(500トン)を倍増。地政学的・経済的不透明感を背景にした蓄積の加速が裏付けられた。

 自機関の保有見通しは「増加」45%、「不変」54%、「減少」1%。増加予想は先進国の18%に対しEMDE諸国は約半数と地域差が出た。新たな金購入の資金源は「自国通貨による国内購入プログラム」が50%で最多。既存の準備資産売却(38%)、新規蓄積準備金の活用(32%)が続いた。

 準備資産管理の意思決定要因は「金利水準」が92%で最多。「地政学的不安定(88%)」「インフレ懸念(79%)」が続いた。地政学リスクはイランでの戦争を背景に関心が高い。EMDE諸国の金利(97%)・地政学(95%)・インフレ(84%)への懸念は先進国(78%・67%・61%)を軒並み上回る。貿易紛争・関税の影響を挙げた割合はEMDE(60%)が先進国(33%)の約2倍となった。

 金保有の理由は「有事のパフォーマンス」が90%で過去最高。次いで「長期的な価値保存(84%)」「効果的な分散手段(83%)」「分散政策の一環(80%)」「地政学ヘッジ(78%)」の順だった。

 5年後の外貨準備構成では、米ドルのシェア「低下」との回答が74%(大幅12%、緩やか62%)に達し、足元42%(2025年第3四半期IMFデータ)からの減少傾向が鮮明だ。米国の外交・政治関係の影響を受ける国を中心に金や人民元へのシフトがみられる。一方、金のシェア「増加」予想は84%(大幅5%、緩やか78%)と前年(76%)から上昇。人民元は67%、ユーロは42%がシェア増を見込んだ。

 運用・管理面は76%が他資産と分離管理し、うち75%が「戦略的資産」を理由とした。「歴史的遺産資産」とする割合は先進国の83%に対しEMDEは33%にとどまる。保管先は英中銀(57%)が依然人気で、国内(49%)も根強い。過去12カ月の国内保管増は9%、海外分散は10%で、スイス中銀への選好は12%から6%に半減。また、37%がアクティブ管理を行い、目的は収益向上(85%)や、前年(22%)から急増したリスク管理(42%)だった。保有形態は購入時(62%)・保有時(93%)ともにロンドン規格バーが主流だ。

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