令和6年度の業績安定、効率経営と収益力強化=日本商品委託者保護基金

 日本商品委託者保護基金は6月6日、2025年3月末時点の会員主要指標を公表した。令和6年度(2024年4月~2025年3月)の営業収益は累計2315億6900万円となり、前年を上回る水準を維持した。会員数は通年で17社と安定し、役職員数は期首の3015人から期末の2844人へと減少。国内商品市場営業部門の職員数も928人から811人へと減少し、組織のスリム化が進んだ。

 委託者純負債及び顧客純負債は3月末時点で2624億4300万円。純資産額は2913億3200万円と、年度末にやや減少したものの、財務基盤の安定性は維持されている。営業収益は年度後半に拡大し、3月単月では233億3500万円と前月比30.6%増。受取手数料は107億6400万円、トレーディング損益は9億5300万円だった。営業費用は167億6100万円、営業損益は66億円、当期損益は201億200万円となった。

 年度累計では営業収益2315億6900万円、営業費用1777億4700万円、営業損益518億3700万円、当期損益634億6200万円。収益力の高さとコスト抑制が両立された結果といえる。特に年度後半は市場環境の改善を背景に収益が回復し、3月は大幅な増収となった。

 近年、商品先物市場のリテール取引は低迷傾向にあるが、基金会員は人員の効率化と収益力強化を着実に進めている点が特徴だ。役職員数の削減とともに、営業収益や損益水準を維持できているのは、業界全体の構造改革が進展している証左といえる。今後も市場環境の変動リスクを注視しつつ、安定した財務運営と効率経営の両立が求められるだろう。

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