日本取引所グループ(JPX)は2026年4月28日、「中期経営計画2027」における人工知能(AI)利活用の進捗と展望を公表した。市場の公正性・透明性確保へ、先端技術の活用を経営上の重要施策に位置付ける。
投資家向けには、言語の壁や情報過多を軽減する生成AI情報提供サービスを段階的に投入。多言語対応の「JPX Market Explorer」、開示資料を分析しサービス名で検索できる「JPxData Portal」、自然言語照会の「J-LENS」を展開する。AI駆動開発により迅速な提供と品質向上を両立している。
上場会社の開示支援では、更改中の適時開示情報伝達システム(TDnet)に関連し、資料準備や作成を支えるAIサービスの提供を検討。適時かつ分かりやすい情報開示を促し、市場の透明性と信頼性を高める。
安全な投資環境の構築に向け、日本取引所自主規制法人は2018年から売買審査にAIを活用。現在は生成AIも導入し、新規上場企業の不正リスク分析や法令遵守状況の確認など、部署横断で業務の高度化を進めている。
推進体制として、2025年度に山道裕己グループCEOを委員長とする全社的な「AI推進委員会」を発足させた。内製アプリや「Microsoft 365 Copilot」を展開し、社内アンケートでは1人当たり月平均約12時間の業務削減効果が創出されている。
山道氏は、AIを効率化だけでなく業務の質向上や付加価値創出の基盤と位置付ける。安全性を最優先に先端技術を取り込み、市場の持続的成長と中長期的な企業価値向上を図るとしている。


