WGC、4~6月の金需要は横這い 投資や中銀買いが価値を下支え

 ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が発表した2026年第2四半期の金需要(OTCを含む)は、前年同期比でほぼ不変の1268.9トンとなった。2026年上半期の総需要は2522トンと前年同期比で2%増加し、その価値は過去最高の3800億ドルに達した。LBMA(PM)金価格は第2四半期に1オンスあたり平均4506.29ドルを記録し、第1四半期の最高値からは8%下落したものの、前年同期比では37%高い水準を維持した。

 第2四半期の投資需要は、OTC(店頭取引)を除くベースで前年同期比46%減の262.2トンに落ち込んだ。金ETF(上場投資信託)が44.8トンの流出に転じたことが主因だ。北米ではインフレと金利上昇への期待調整、米ドル高を背景に第2四半期に45トンが流出し、上半期累計でも61トンの流出と2013年以来最悪の上半期となった。一方、欧州では英国の政治的不透明感などから16トンの流入が見られた。地金・コイン投資は前年同期比3%減の307.1トンと安定したが、過去2四半期の例外的な強さからは36%減少して通常の水準に回帰した。これに対し、不透明なOTC需要は前年同期比91%増の327.1トンと急増し、アジア市場での強い引き合いが全体を支えた。

 中央銀行による純購入量は、前年同期比62%増の288.9トンと第2四半期として過去最高を記録した。第1四半期の低迷から急回復し、過去4年間の高い水準に復帰している。ポーランド国立銀行が51トンを購入し上半期の累計を82トンとしたほか、中国人民銀行も33トン(上半期40トン)を追加し、保有量は2346トンに達した。中銀は分散投資や地政学的リスクへの備えとして金を重視しており、最新の調査では中銀の45%が今後1年間に保有量を増やす意向を示している。

 宝飾品需要は前年同期比17%減の278.2トンと、パンデミック以来の低水準に沈んだ。金価格の高騰とインフレ圧力が家計を圧迫した。主要市場の中国は28%減の50.0トン、インドは15%減の75.1トンと大幅に減少した。一方で、消費額ベースでは前年同期比14%増の400億ドルに達し、上半期累計では860億ドルと22%増加した。消費者は軽量製品への買い替えや古い金の交換で高騰に対応しつつ、資産保全としての支出を継続している。

 テクノロジー分野の需要は前年同期比2%増の80.4トンとなった。AI(人工知能)インフラ関連の需要が、スマートフォンやノートPCなどの民生用電子機器の低迷を補った。エレクトロニクス部門は4%増の68.3トンで、台湾積体電路製造(TSMC)がAI向けチップの需要により第2四半期純利益220億ドルを計上するなど、高機能半導体向けの金使用が拡大している。一方、歯科用は代替素材へのシフトが進み、6%減の1.9トンとなった。

 供給面では、第2四半期の総供給量は1268.9トンと前年同期から横這いだった。金鉱山生産は2%増の965.6トンと、第2四半期として過去最高を更新した。カナダでのデツアー・レイク鉱山の拡張やチリのサラレス・ノルテ鉱山の操業開始が寄与した。これに対し、リサイクル金は金価格の下落調整を受けて6%減の326.1トンに縮小した。生産コスト(AISC)は第1四半期時点で1オンスあたり1785ドルと前年比16%上昇しており、中東紛争によるエネルギー価格上昇が今後の生産に影響する見通しだ。

 下半期の見通しについてWGCは、投資需要が成長の主動力になると予測する。中銀の購入も戦略的なトレンドとして継続するが、2025年の高水準を下回る可能性が高いとしている。宝飾品需要は価格高騰により引き続き抑制される一方、テクノロジー需要はAI投資に支えられる見込みだ。

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